Bercriber's Blog

短歌

2025/08/11 01:26


音象

入道雲へ入る道お帰りの際は涙になってください

流れ着く涙が満ちる湖の水底に月眼底に月

目を閉じてより深々と目を閉じるまぶしすぎれば無力な瞼

僕なりの入道雲の美醜ありありのままをと眺む練習

夏風邪に鼻を垂らして汗まじり暦の上では大きな夏

海の日に海で死ぬ人数多おり導くように祝日はある

鉄塔をAIで消し塗り替えた虚像の空の夏空らしさ

晴天に咲く遠い雲と僕との間に雨という縁はない

果てしない湖は海その中に汽水域をと涙を落とす

公園の砂場に掘った手作りの海に自らを沈めてゆく

田園の水面眩しいままが良い左に斜陽右には斜陰

にわたずみ蜃気楼より尊くて消えていくのに悲しくはない

生け花の花は生贄人々の門出に捧ぐ儀式に捧ぐ

閉じぬままニ度と閉じれぬ瞳見る黒目は白く染められていた

春と修羅詩人の怒り喪失の心象景色夜の音象