Bercriber's Blog

音楽

2025/12/03 22:37


稲穂に火を

もうこんな時間かというように死は、陽あたる道のひいらぎの花

吉川宏志「夜光」

もうこんな時間か
薄明り 夕になった
灯りが灯る

もうこんな時間か
時間を忘れていた
心を亡くしていた

もうこんな時間か
って 死ねたらいいだろう

陽が差していた 道に花
柊の果実が赤い それは西の洋の
陽が沈んでも変わらず 花は白
柊の葉に 触れる その先を見つめながら


もうこんな時間か
月明かり陰る夜道
心が冷える

もうこんな時間か
人生 すべてただの
走馬灯なのかもしれない

もうこんな時間か
って 死ねるのならば それは灯火 になれるか

日が経てば ほら 稲に実
柊の果実は 青い それは東の洋の
日が過ぎていく 月と日の
日々が 一日 一日と 尽きていく

二度と開かないまぶたを 今にも落としてしまうから
稲穂に火を放てば 秋はその最中へ
最初から死ぬと決まっていて それは誰しもが同じで
何も気に病む必要はなかったんだ

火が点いた 今 人に花
柊の花が終われば 冬が始まる
火が消えた 今 骨に灰
あなたの終わりに 冬が始まる