Bercriber's Blog

音楽

2025/06/14 23:25


春楡

初夏が、はつなつが終わる前に、5月に書いた詩を成仏させよう期末。

春楡という文字を短歌で知って、はるにれと読むと知って、ハルニレという木があると知って、詩になる。

ここは心の裏側で
とある人探しです
すこし聞きたいことがあって
目を閉じて やって来ました

春楡の木陰にも
藤棚の木陰にも
木漏れ日にゆれるあなたが見つからない
どうしたらいいでしょうか あ!

きっと
海にいますよね 潮風に揺られていますよね
夏の日差しをあなたは怖がったりしないのは なぜでしょうか
大きな麦わら帽子のおかげでしょうか
それともいつもの笑顔のおかげでしょうか


ここは言葉の内側で
誰にも言えないことばかりです
言葉にすればするほどに
心を見失ってしまいます

紫陽花の花弁さえ
花柚子の花弁さえ
緑葉より美しいと思えないから
花の亡骸で汚さないでくれませんか

わたし
海が嫌いです 潮風の匂いが嫌いです
夏の気温にあたまはゆでたまご もうだめです
地平から続く 高く登る雲でさえ
あなたを呼ぶように雷鳴 雨が降りそうです


わたし 聞きたいことがあったのに
ぜんぶ わすれて しまいました
あなたを あなたを 見つけられたなら
それだけで よかったのかも しれません


夏の麦の穂にも
秋の米の穂にも
金色の波が荒れる夕暮れにも
気にも留めず夜がくるのを待っていました

そっか
月にいますか 新月のどこかにいますか
孤独が満ちるまであなたは見つからない それでいいのでしょうね
言葉もばらばらにしてもいいのでしょうね
嘘と本当は同じなんだと知っていますか

わたしもあなたと同じなんだと知っていますか